第2回 沈まぬ太陽の魅力
前回、「沈まぬ太陽」にハマってしまったわけは「モデル小説」だったからだと書きました。
これは読んだあとに、「沈まぬ太陽」のことを調べて考えたことです。
本を買ったときも読んでいるときも、私は「モデル小説」だと知らずに読んでいました。
「沈まぬ太陽」が「モデル小説」であり、その評価が賛否両論であることは、読了後調べて了解しています。
ただ今回は「沈まぬ太陽」を純粋に小説の一つだととらえて、私がおもしろいと思った「沈まぬ太陽」の魅力を紹介したいと思います。
あらすじ
不条理な運命との戦い
主人公の恩地元は国民航空の社員で、ある日自分の意志に反し労働組合委員長に選ばれ、経営陣と対立したことがもとで、海外支店を転々ととばされてしまいます。
アフリカなどの特別地域での勤務は2年と内規で決まっているにも関わらず、カラチ、テヘラン、ナイロビと10年間も特別地域に勤務させられます。
そのたび恩地は不条理な内示に立ち向かいながら、自分の力ではどうでもできない大きな力に負け、落胆を繰り返します。
そして10年後、再び日本へ戻ることになった恩地を待っていたのは、大きな航空機事故でした。
国航ジャンボ墜落事故と再建
日本へ戻ったものの、仕事のない役職に置かれ、恩地は変わらず不当な扱いを受けていました。
そして起こったのが、国航ジャンボ墜落事故です。
恩地は救援隊として現場へと向かい、その悲惨な状況を目の当たりにし、また遺族係となり遺族の苦しみと向かい合うこととなります。
遺族の言葉にならない思いと、それに接する事故を起こした国民航空の社員。遺族との話し合いは、補償金の問題へと発展し、さらなる溝がうまれていきます。
その後、国民航空再建のために新たな会長が就任します。
恩地の過去を知り、会長が恩地を会長室の部長へと抜擢します。国民航空を再建すべく動き出すのですが、内情は思った以上に腐敗しており、恩地の前に立ちはだかります。
ひたむきな強さと航空業界
沈まぬ太陽を読んで、まず興味を持ったのが航空業界でした。
飛行機を利用することはあっても、航空業界について知ることはなかなかありません。
沈まぬ太陽では、整備士の勤務実態、パイロット採用の問題、国内線国際線の発着決定のことなど、普段は知ることができない
実態を知ることができます。
華やかなイメージのある航空業界も一般的な会社と変わらない問題があり、そして空の安全、人命優先でありながら、それが重要視されない場面もありました。
そして、一番心ひかれたのが恩地元を中心に、不条理な運命と戦う人々の強さでした。
思うように進まない日々に負けることなく、それでも進もうとする姿勢に何より励まされました。
次回はその恩地元の強さについて語りたいと思います。
(2009.10.16 ちひろ)



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