第1回 山崎豊子という文学
いつもは図書館で本を借りて読んでいる私ですが、たまには本屋でおもしろそうと思った本を買ってみようと手にとったのが山崎豊子の「沈まぬ太陽」でした。
長い間本を読み続けてきて、最近は「おもしろかった!」と満足する本がなかなか見つからない私。
「沈まぬ太陽」は最初から引き込まれるストーリーで、すぐに続きを買いに行ったほどハマってしまいました。
そんな今一番オススメの「沈まぬ太陽」と、ほかにも有名な作品を書いている山崎豊子の魅力を3回にわたってご紹介します。
「小説」にはない「モデル小説」のおもしろさ
小説のかたち
一般的な小説というと、起承転結を基本に作られていることが多いと思います。
何冊も何冊も小説を読んでいると、だんだん展開に慣れてきます。
読んでいる途中から続きが予測できてしまったり、これはあとで重要になる伏線の一つだろうとわかってしまったり、そろそろ物語を終息に向かって展開しているなと気づいてしまったり。
わざと終息させない小説もありますが、一度は新鮮であっても続けては飽きてしまいます。
いくら奇抜な発想から始まっても、だいたいの作品は過去の作品と変わらず展開していくもの。
なぜかと言えば、それは小説を書こうとして、人が作っているからだと考えてます。
モデル小説に引き込まれたワケ
今回、山崎豊子の「沈まぬ太陽」を読んで、私が引きこまれたのはモデル小説だったからだと思っています。現実にあったことを取材して、小説にアレンジした作品なので、作家の意図は普通の小説よりは少ないはず。
私が知っている「小説」とはどこか違っていて先を予測できないまま、ストーリーが展開していきます。
いわゆる小説的に展開ではないことにがっくりきたりもしましたが、思い出したのは「事実は小説よりも奇なり」ということ。
現実は決して予想通りには進まず、人はそのことに振り回されながら生きていることが、「沈まぬ太陽」を読んでいて感じられました。
そのことが私には新鮮でした。
山崎豊子の作品ーモデル小説と映像化ー
山崎豊子の作品にはほかにもモデル小説があります。
吉本興業を創業した吉本せいをモデルにした「花のれん」、神戸銀行をモデルにした「華麗なる一族」、外務省機密漏洩事件をモデルにした「運命の人」など。
そして、映画化・ドラマ化された作品も多くあります。
「白い巨塔」「華麗なる一族」「大地の子」「女系家族」、2009年10月からドラマが放映される「不毛地帯」、そして「沈まぬ太陽」も2009年10月24日に映画が公開されます。
映画化・ドラマ化されることが良い小説とは一概には言えませんが、それだけ注目されている作家であることは間違いありません。
そんな山崎豊子と私の出会いとなった「沈まぬ太陽」の魅力を、次回語りたいと思います。
(2009.10.9 ちひろ)



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