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第3回 ワインが人の心を癒す-『ソムリエール』-

ワインへの愛情が溢れるソムリエール

ソムリエール

フランスの大学で醸造科を卒業し、子どもたちと一緒にワインを作っていた樹カナ。 カナはブドウ畑の土の味を確かめたりするほど、ワインに詳しくワインが好き。 ある日、幼い頃から援助してくれていたジョン・スミスからの申し出を受け、東京にあるレスソトラン「エスポワール」でソムリエールとして働くことになります。
ソムリエールとは女性のソムリエのこと。
そこで働きながら、カナはワインの作り手の気持ちと客の気持ちを重ね合わせ、人の心を通わせるお話です。

「もし1本のワインに出会うことで人に感動を与えることができるなら、ワインにそんな力があるとしたら、私はお客様にとって、最高の出会いを提供したいと思います」(第1巻)

とカナが語るように、カナのワインに対する愛情の深さがうかがえます。

一話一話にワインの紹介、知識があって、これ飲んでみたい!と思えるワインと出会えることはもちろん、そのほか軽いタッチになって笑える場面もあります。
ワインには強いけれどスピリッツ系のお酒にはめっぽう弱いカナが酔っ払ってからんだり、アフロヘアーで音楽を聴きながら料理を作る天才シェフやワイン通で気の強いキャビンアテンダントなどカナを取り囲む人たちも魅力がいっぱいです。

ワインを知ることで『今』が見えてくる

ソムリエール

おすすめは第2巻の「開くワイン」。すれ違いばかりの家族がワインによって近づきます。
久しぶりにレストランで顔を揃えた夫婦と子ども。
お互い思うところがあって、なかなか話をすることができずにいます。
そこでカナは自然派ワイン特有のビオ臭がありそのままでは飲みにくいワインを、デキャンタで臭いをとばさずに夫婦に出します。
ゆっくりとワインから臭いがとれ香りが広がるまで、家族がただ向かい合って座って待つことが必要だとカナが考えたからです。
家族は待って、そしておいしく変わったワインの味を楽しみ、そして少し距離が近づいていきます。

第5巻の「バイ菌とワイン」はバンドのヴォーカルの女性とギターの男性が結婚することを決めたけれど、お互いの父親が大学の同僚で、学長選挙でもめたこともあり仲が悪い。父親たちは自分が認めていない「バンド」という「バイ菌」を通して知り合った2人が結婚することもあり大反対しています。
そこでカナは灰色カビと言われる「貴腐菌」によってできる貴腐ワインを父親たちに勧めます。
偶然が重なって出来た貴腐ワインと偶然を通して知り合い結婚まで来た2人を重ね合わせて、カナは父親たちの気持ちを近づけようとします。

カナが語るワインの生い立ちや特性を知ることで、『今』が見えてきて良い変化が生まれる、そんな話を読むとあたたかい気持ちになれるのでおすすめです。

ソムリエール(1~10巻発売中)

(2009.8.28 ちひろ)

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